栄養不足は何が危険!? あなたに必要な栄養は?

皆さんは、自分の身体にどんな栄養が必要かご存知ですか?

思いつくと思いますが、なぜ?という部分も含め、お話していこうと思います。

栄養素

栄養と言われて思い浮かぶものは何でしょうか?

生きる上で必要不可欠な栄養とは、要するにエネルギーのことです。

身体を動かすために必要なのはもちろんのこと、内臓の働きにもエネルギーが欠かせません。

これらの栄養素は大別して、糖質・タンパク質・脂質の3種類に分類されます。

健康な生活を送るためには、エネルギーだけを摂取しても十分とは言えません。

摂取したエネルギーを効果的に活用し、そのエネルギーを使えるようにするためには、ビタミンやミネラルが必要です。これらの栄養素は血液や骨の健康にも関わります。

生きるのに必要な栄養

生きていくにはエネルギーが必要です。

栄養にはそれぞれ生み出すエネルギー数が違います。

詳しく見ていきましょう!

糖質

糖質とは、炭水化物の一種です。

炭水化物は、後で述べる食物繊維と組み合わさって炭水化物とされますが、生命活動に必要なエネルギーとして不可欠なのは糖質です。そのため、ここでは糖質に焦点を当てます。

糖質は、1gあたり4キロカロリーのエネルギーを供給します。

このエネルギーは脳や内臓、筋肉といった各組織に運ばれ、身体の機能を支えるために使用されます。

ただし、すべての糖質が同じというわけではありません。

摂取した糖質の種類によって、エネルギーに変換されるまでの時間が異なります。

例えば、白米に含まれる糖質は、ゆっくりと分解される「でんぷん」です。一方、果物(バナナなど)に含まれる「果糖」や「ブドウ糖」は、迅速にエネルギーに変換されます。

この違いは、糖分子の結合の仕方に起因しています。

でんぷんは多糖類(複数の糖分子が結合した形態)であり、一方で果糖やブドウ糖は単糖類(糖分子が一つずつ独立した形態)です。

10個の糖分子が結合しているものを摂取してから1個の糖分子に分解するよりも、最初から単独の糖分子を摂取した方が吸収が速く、直ちにエネルギーとして利用されます。

タンパク質

タンパク質は、筋肉の修復や皮膚の再生など、人体の構成要素として重要な役割を果たします。

人間にとって必要不可欠な栄養素であり、さらに1gあたり4キロカロリーのエネルギーを供給します。

タンパク質は動物性と植物性の2つの主なタイプに分かれます。

肉や卵、牛乳などから摂取するタンパク質は動物性タンパク質と呼ばれ、一方で大豆などの植物由来のものは植物性タンパク質とされます。

これら2つのタンパク質の違いは、構成するアミノ酸の組成に由来し、その違いによって吸収率が変化します。

動物性タンパク質は一般的に吸収率が高く、一方で植物性タンパク質の吸収率はやや低いとされています。

どちらが優れているかという問いに対しては、目標や状態によって異なる答えがあります。

筋肉を増やしたい場合には、動物性タンパク質が有益です。一方で、美容や健康を重視する場合には、植物性タンパク質が選択肢となります。

例えば、大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに類似しており、肌を滑らかにする効果があるとされています。

ただし、片方だけを過度に摂取するのではなく、バランスの取れた食事摂取が重要です。

脂質

脂質は、1gあたり9キロカロリーのエネルギーを供給します。しかし、脂肪の主成分として、その存在は避けがちなものですね。

ただ、脂肪の役割を考えると、見方が変わる可能性があります。

まず、寒さから内臓器や身体を守ってくれる役割があります。体温を保つことは、免疫力を高めるためにも重要であり、免疫力低下を防ぐためには脂質の摂取が必要です。

また、ビタミンの脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割も果たします。

では、適切な量の脂質を摂取することが全てなのでしょうか?

それは誤っているかもしれません。

脂質にも異なる種類が存在し、摂取すべき脂質と避けるべき脂質があります。

脂質は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。

飽和脂肪酸は、バターや乳脂肪、食肉の脂肪分など、私たちに馴染み深いものに含まれています。これらの脂質は、LDLコレステロールを増加させると言われています。

不飽和脂肪酸は、一価不飽和と多価不飽和に分けられます。

特に多価不飽和脂肪酸の中で、オメガ3系脂肪酸の摂取が推奨されます。オメガ3系脂肪酸には、青魚に含まれるDHAやEPA、エゴマ油やアマニ油に含まれるα-リノレン酸があります。これらの脂質は、HDLコレステロールを増加させる効果があります。

飽和脂肪酸は、通常の食事で十分に摂取されることが一般的です。重要なのは、適切な量の不飽和脂肪酸、特にオメガ3系脂肪酸を摂取することです。

太りたくないという理由から、脂質を避けることがありますが、適切な摂取方法を考えることで、むしろ健康に寄与することができます。

コレステロール

コレステロールに関する認識は、悪玉コレステロール(LDL)が悪く、善玉コレステロール(HDL)が良いという認識が一般的ですが、実際には両者には重要な役割があり、バランスが大切です。

肝臓で合成されたコレステロールを体内に運ぶのがLDLコレステロールであり、逆に体内で余ったコレステロールを肝臓に戻すのがHDLコレステロールです。どちらも欠かせない役割を果たしています。

ただし、普段の生活においては食事から摂取するコレステロールや脂質により、LDLコレステロールの量が増加することがあります。そのため、HDLコレステロールにも意識を向ける必要があります。

※ちなみに

脂質の中で一価不飽和脂肪酸には、オリーブオイルに含まれるオレイン酸やトランス脂肪酸が含まれます。

オレイン酸は、LDLコレステロールの増加を抑える性質を持っています。

一方、トランス脂肪酸は健康に悪影響を及ぼすものです。マーガリンなどに含まれており、LDLコレステロールを増加させるとともに、HDLコレステロールを減少させる可能性があります。そのため、トランス脂肪酸の摂取は避けることが推奨されます。

バランスの取れた食事と、健康的な脂質摂取が、コレステロールの管理に重要です。

ビタミン

ビタミンは、糖質、タンパク質、脂質の利用を円滑にし、骨の生成や血液に関わるなど、健康を維持する上で不可欠な栄養素です。水溶性と脂溶性に分けられます。

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンは熱に弱く、水に溶けやすい性質を持ちます。したがって、調理によって失われやすいです。サラダや果物から摂取することが推奨されます。また、過剰摂取しても尿中で排出されるため、摂取しすぎの心配は少ないとされています。

ビタミンB群

ビタミンB群は、糖質やタンパク質、脂質をエネルギーとして利用するために働きます。エネルギー代謝に関わるだけでなく、脳の神経伝達物質の生成にも関与しています。ビタミンB1は疲労回復に、ビタミンB2はエネルギー代謝や皮膚再生に、ナイアシン(ビタミンB3)は代謝やDNA修復に、パントテン酸(ビタミンB5)は免疫強化や脂質代謝に、ビタミンB6はエネルギー代謝とたんぱく質分解に、ビオチン(ビタミンB7)はエネルギー代謝と抗炎症作用に、ビタミンB12は赤血球の生成と代謝に、それぞれ関与します。

葉酸

ビタミンB12と同様に赤血球を作るため、造血ビタミンとも言われます。 DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質合成を促進します。

ビタミンC

ビタミンCは皮膚や細胞のコラーゲン合成に必要であり、鉄の吸収や免疫力にも関わります。ただし、熱や水に弱いため、フルーツなどで火を通さない形で摂取することが良いでしょう。

これらのビタミンは、バランス良く摂ることが重要であり、健康的な食事と摂取量に気をつけることが、健康維持に貢献します。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂取することで効果を発揮しやすくなります。良質の油を摂ることも重要です。ただし、摂取した脂溶性ビタミンは身体に蓄積されますので、過剰摂取に注意が必要です。

ビタミンA

ビタミンAは、目や皮膚の健康を維持し、抵抗力を高める役割があり、暗い環境での視力維持にも寄与します。さらに、感染症への対抗力を高め、白血球の分化にも関与します。

ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収促進や骨の成長をサポートし、血中カルシウム濃度の調整に関与します。紫外線を浴びて生成されるため、日光浴をおすすめします。肌のバリア機能向上にも寄与します。

ビタミンE

ビタミンEには抗酸化作用があり、老化の防止に役立ちます。また、皮膚の新陳代謝を促進し、シミなどの改善にも効果的です。

ビタミンK

ビタミンKは骨の健康維持に不可欠で、骨粗しょう症への効果があります。また、出血箇所での凝固や止血にも関わるとされます。

これらの脂溶性ビタミンは、バランスを保ちながら摂取し、健康をサポートするのに役立ちます。

ミネラル

必須ミネラルは16種類ありますが、その中でも特に摂取をおすすめしたいミネラル4種類と、摂り過ぎに注意が必要なミネラル4種類を紹介します。

摂取をおすすめしたいミネラル

カルシウム

カルシウムは骨の形成に必要で、骨は常に作り替えられているため、毎日の摂取が重要です。過剰摂取は石の生成や蓄積を引き起こす可能性があるため注意が必要です。えび、しらす、小魚などがカルシウムを含むおすすめの食材です。

鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄に分かれ、吸収しやすいのはヘム鉄です。肝臓や牛赤身肉、まぐろ、赤貝に多く含まれます。植物性の非ヘム鉄も意識的に摂取し、バランスを保つことが大切です。

亜鉛

亜鉛はホルモン合成や免疫反応の調節、成長に不可欠です。ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂取すると効率的です。牡蠣、豚レバー、卵などが亜鉛を含む食材です。

マグネシウム

マグネシウムは筋肉の収縮や神経伝達、体温・血圧の調整に関与しています。過剰摂取は腎臓機能低下時に排泄が難しくなる可能性があります。適切な摂取量を保ちましょう。

摂り過ぎに注意のミネラル

ナトリウム

ナトリウムは塩分として摂取され、体内の水分濃度の調整に関与します。過剰摂取が問題になることが多いです。

カリウム

カリウムはナトリウムとのバランスを保ち、神経や心臓、筋肉の動きに関与します。摂り過ぎは、心臓に危険です。

リン

リンは骨や歯の成長、エネルギーの構成要素として重要です。過剰摂取には注意が必要で、加工食品の無機リンを摂りすぎると骨の健康に影響を及ぼす可能性があります。有機リンを摂取することを意識しましょう。

セレン

セレンは抗酸化作用を持ち、細胞の酸化を防ぎます。通常の食事で摂取することができます。

食物繊維と水の重要性

食物繊維

食物繊維は炭水化物に含まれ、人の消化酵素ではほぼ分解されず、大腸まで到達して便として排泄されます。食物繊維はほとんどエネルギーを提供せず、そのエネルギー量は0〜2kcalと低いため、ダイエットにも適しています。

食物繊維は水溶性と不溶性に分けられます。水溶性食物繊維は便を水分を含んだものにして柔らかくし、不溶性食物繊維は便を硬くし、整った形に整えてくれる効果があります。そのため、便秘気味の方には特に水溶性食物繊維を摂取することで便が柔らかくなり、排泄がスムーズになるでしょう。

水は栄養とは異なりますが、健康維持に不可欠な存在です。人間の体は約60%が水で構成されており、水分不足は血液の循環を悪くし、体調不良を引き起こす可能性があります。水分不足は命にもかかわる問題です。

1日に必要な水の摂取量は、1リットル以上を目標としましょう。ただし、水を過剰に摂取することも毒性を引き起こす可能性があるため、2リットルを上限にすることが適切です。適度な水分摂取を心がけましょう。

※過度な水分摂取は、体液の濃度を急激に薄めてしまうため、体内の電解質バランスを乱す可能性があります。

特に一度に大量の水を飲むことは、浸透圧の急激な変化を引き起こし、細胞の膨張や脳の浮腫などの問題を引き起こす可能性があります。

栄養不足が招く身体の不調

栄養不足による身体の不調にはさまざまな症状が現れる可能性があります。以下に詳しく説明します。

体重減少

エネルギー不足により体重が減少することがあります。摂取したエネルギーが消費エネルギーよりも少ない場合、体内のエネルギーを使い果たし、体重が減少します。ただし、極端な摂取制限は健康に害を及ぼす可能性があるため、適切なバランスのある食事が重要です。

皮膚疾患

たんぱく質、ビタミン、ミネラルの不足は皮膚の健康に影響を及ぼし、皮膚疾患やトラブルを引き起こす可能性があります。特にビタミンD、ビタミンA、亜鉛などは皮膚の保護や再生に関与しています。

免疫力低下

タンパク質、ビタミン、ミネラルの不足は免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくする可能性があります。ビタミンCや亜鉛は免疫機能の維持に重要であり、健康な免疫系の機能に必要です。

貧血・めまい

鉄分不足による貧血やビタミンB群、ビタミンEの不足によるめまいが発生する可能性があります。貧血は酸素供給が減少し、めまいは神経系への影響によって起こります。

骨の健康問題

カルシウム、ビタミンDの不足は骨の健康に悪影響を及ぼし、骨折や骨粗鬆症のリスクを高める可能性があります。

血圧変動

ビタミンB群、ビタミンEの不足により血圧が影響を受け、めまいや不調が生じる可能性があります。

過剰摂取は?

過度の栄養摂取も身体に悪影響を及ぼすことがあります。例えば、体重増加や内臓の負担増加が発生し、肥満や心血管リスクの増大、代謝障害を引き起こす可能性があります。内臓の負担が増えるとストレスや睡眠障害、免疫力低下が起こる可能性もあります。

適切な栄養バランスを保つことが、健康な身体を維持するために重要です。バラエティ豊かな食事を摂ることで、必要な栄養素を適切に摂取し、健康な生活を送ることができます。

まとめ

栄養についてまとめていきました。

知っていることもあれば、知らないこともあったと思います。

少しずつでいいので、試して健康に向かっていきましょう!

ではまた!

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